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進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫に対して【経過観察】がいいのか【リツキシマブ】がいいのか?

進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫に対して経過観察とリツキシマブを比較した第3相臨床試験
 

 

 

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論文について

タイトル

Rituximab versus a watch-and-wait approach in patients with advanced-stage, asymptomatic, non-bulky follicular lymphoma: an open-label randomised phase 3 trial
 

Pubmedリンク

 

論文のPICO

P:

未治療進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫
Stage:Ⅱ.Ⅲ,Ⅳ
Grade:1,2,3a
PS:0 or 1
低腫瘍量群(高腫瘍量の条件を満たさない)
 
を下記の3群に分ける
 

I:

経過観察群
 

C:

リツキシマブ+リツキシマブ維持療法
リツキシマブ(導入のみ)
 

O:

Primary endpoint
TTNT(次の治療までの期間)
7ヶ月時点でのQOL
 
リツキシマブ導入のみのarmは途中で打ち切り
 
TTNT(3年後の治療を要しなかった割合
経過観察群 vs R+Rメンテ 46% vs 88% (HR 0.21 P<0.0001)
 
7ヶ月時点でのQOL(table4に詳細)
有意差をもってR+Rメンテ群が優れていた.
 

論文の詳細

研究デザイン

R導入療のみの群は打ちきれれた.
 

Table1:対象患者群

とくに差はなし
 

Table2:奏効率

ここはこの論文のポイントだと思っています.
 

 

Figure2

PFSには有意差あり.(R使っているから当然)
しかし,OSには差がなかった.
(d)で形質転換群に差があるように見えるが,有意差はなし.
 

 Figure3

3群での比較.
OSに有意差はなし.
 
 

この論文のまとめ

 
進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫に対して
リツキシマブ+リツキシマブ維持療法群 vs 経過観察を比較した試験
次の治療までの期間はR+R維持療法群で優位に長かった.
しかし,全生存期間には差がなかった.
 
また,未治療群であっても5年後に59%で進行は見られず
12%で腫瘍の縮小,6%で腫瘍の消失を認めている.
(この群にはRは過剰投与である可能性がある.)

 

 
要約
進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫に対して,リツキシマブ+リツキシマブメンテナンスをおこなうメリットは明らかではない.
しかし,QOLを改善させる可能性がある.(腫瘍に対する不安など)
 
今日の一枚

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ライオンさん