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進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫 経過観察すると16年後はどうなるのか?

進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫に対して経過観察した群が16年後どうだったかという貴重な研究

論文について

 
タイトル:
Long-term effect of a watch and wait policy versus immediate systemic treatment for asymptomatic advanced-stage non-Hodgkin lymphoma: a randomised controlled trial
Pubmed link:

www.ncbi.nlm.nih.gov

Lancet 2003;362(9383)516:22
 

論文のPICO

 

P

StageⅢまたはⅣの初発の濾胞性リンパ腫またはiNHL
腫瘍量はLow-tumor-burden(高腫瘍量の基準を満たさない.)
 

I

経過観察
 

C

Chlorambucil 10 mg を内服
 

O)

現在のスタンダードの治療とは異なるため,後述のまとめを参照してほしい.
ここでは,論文の通りに挙げる.
観察期間16年
Primary endpoint→OS(全生存率)
経過観察群 vs Chlorambucil群 6.7Years vs 5.9 years(有意差なし P=0.84)
 

論文の詳細

この論文のポイントは経過観察群を16年追っていること.
 

Figure1

研究デザイン:非常にシンプル
 

Table1

患者背景:進行期低腫瘍量のFLが中心.他にはiNHL
 

Figure2

OS(全生存率):現在の治療方針とは異なるため,当時のということ.(現在は明らかにもっと改善している.)
 

Table2:死亡の原因

 

Table3

 

Figure3 (ここがこの論文のポイント)

経過観察群における経過.
10年の時点で19%が追加の化学療法なしで生存している
 

論文のまとめ

進行期低腫瘍量の患者群では経過観察した場合
10年の時点で19%が追加の化学療法なしで生存している.
現在,リツキシマブを投与することでOSは改善しないことが示されており,
経過観察を支持する根拠となっている論文の1つである.
 

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