血液内科医の論文と日常

血液内科領域の論文などを載せています.

セフトリアキソン(CTRX)による偽胆石症(PBL)は腎機能障害がリスクである.

Twitterで目を引いたので,読んでみた.
CTRXの偽胆石症は忘れた頃に遭遇するので,この際に勉強してみた.

 

論文

Title(英語):
Risk factors of ceftriaxone-associated biliary pseudolithiasis in adults: influence of renal dysfunction
Title(日本語):
成人におけるセフトリアキソン関連胆道偽結石の危険因子:腎機能障害の影響
 
PubMed link:
 

 論文読む上での基礎情報 

CTRXによる偽胆石症の機序について

CTRXと胆汁酸が同じ排泄経路
CTRXによって胆汁酸の排泄障害がおこる
イオン化カルシウムの濃度があがる.
CTRXとイオン化カルシウムが結合する
偽胆石症が形成される.

 

 
という機序
 

 Clinical question

CTRXの偽胆石症のリスクファクターってなんかあるの?
 

この論文のKey point

セフトリアキソンによる偽胆石症の明らかなリスクファクターは
  • 腎機能障害(eGFR<60)
  • 女性
であった.
 

 論文の内容

ごく簡単にまとめてみた.おもしろいので読んでみてください.
 

研究デザイン

478人のCTRXを投与された患者について検討した.
そのうち12人がCTRXによる偽胆石症を発症した.
 
 

 Table and Figure 

Table2(偽胆石症がおこった人の検討)

発症までの期間の中央値は12日(2~47日)
ほとんどがCTRXの中止で改善している.(1例は改善せず)
 

Figure1

腎機能障害があるとリスクだよ.
 

Table3(多変量解析)

 
リスクファクターとしてあがってきたのが
女性(HR 5.35)
eGFR <60 (HR 8.14)
 

論文の要約

CTRXによる偽胆石症は
 
女性であると約5倍のリスク
eGFR<60であると約8倍のリスク
 
女性かつ腎機能障害はCTRXによる偽胆石症のHigh risk patients
 
女性でかつ腎機能障害がある場合は偽胆石症について十分に注意する必要がある.
また,しばらく経ってから発生している例もあるため
患者には説明しておく必要がある.