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【POLLUX study】再発/難治 多発性骨髄腫に対してDRd vs Rd 【ダラツムマブ】

 

 

 

論文

Title(英語):
Daratumumab, Lenalidomide, and Dexamethasone for Multiple Myeloma
Title(日本語):
再発/難治性の多発性骨髄腫に対してダラツムマブ+レブラミド+デキサメタゾン(DRd療法)について    
PubMed link:
N Engl J Med 2016;375:1319-31. DOI: 10.1056/NEJMoa1607751
 

 Clinical question

DRd療法の原著論文(POLLUX study)についてまとめてみた.
スライドの準備も兼ねてup
 

この論文のKey point

62%自家末梢血幹細胞移植後の再発/難治  多発性骨髄腫(R/R MM)
に対してDid vs Rd療法の比較
投与方法については原著論文を参照してください.
 
患者背景(DRd群)
19.3%の患者は3レジメン以上
62.9%が自家末梢血幹細胞移植後
PIの投与をうけていたのが85.7%
IMIDsは55.2%
 
 
Primary endpointはPFS

PFS 12ヶ月 DRd vs Rd 83.2% vs 60.1%
 
全奏効率 ORRCR 43.1% vs 19.2%
MRD:minimal residual disease陰性達成例 22.4% vs 4.6%
 
主な有害事象(Grade3-4)
好中球減少 51.9% vs 37.0%
血小板減少 12.7% vs 13.5%
貧血 12.4% vs 19.6%
Infusion related reaction DRd群で47.7%(多くはGrade1-2)
 

 Abstractの和訳について

下記サイトから引用した.
 

 背景

ダラツムマブ(daratumumab)は,単剤,またはレナリドミド+デキサメタゾンとの併用で,再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象とした第 1・2 相試験で期待できる有効性を示した.

 方法

第 3 相試験で,1 レジメン以上の治療歴のある多発性骨髄腫患者 569 例を,レナリドミド+デキサメタゾンのみを投与する群(対照群)と,この 2 剤にダラツムマブを併用する群(ダラツムマブ群)に無作為に割り付けた.主要評価項目は無増悪生存期間とした.

結果

プロトコールで規定した中間解析では,追跡期間中央値 13.5 ヵ月の時点で病勢進行または死亡は 169 件認められた(ダラツムマブ群 286 例中 53 例 [18.5%] に対し,対照群 283 例中 116 例 [41.0%];ハザード比 0.37;95%信頼区間 [CI] 0.27~0.52;層別 log-rank 検定で P<0.001).Kaplan–Meier 法による 12 ヵ月無増悪生存率は,ダラツムマブ群 83.2%(95% CI 78.3~87.2)に対し,対照群 60.1%(95% CI 54.0~65.7)であった.全奏効率はダラツムマブ群のほうが対照群よりも有意に高く(92.9% 対 76.4%,P<0.001),完全奏効以上が認められた患者の割合も同様であった(43.1% 対 19.2%,P<0.001).微小残存病変(MRD)の閾値(腫瘍細胞が白血球 105 個に 1 個)を下回った患者の割合は,ダラツムマブ群 22.4%に対し,対照群 4.6%であり(P<0.001),閾値を下回ったことは,転帰の改善に関連していた.治療中に発現したグレード 3 または 4 の有害事象は,好中球減少(ダラツムマブ群 51.9%に対し,対照群 37.0%),血小板減少(12.7% 対 13.5%),貧血(12.4% 対 19.6%)の頻度が高かった.ダラツムマブに関連する投与時反応(infusion-related reaction)は 47.7%で認められ,多くはグレード 1 または 2 であった.

まとめ

レナリドミド+デキサメタゾンにダラツムマブを追加することで,再発・難治性多発性骨髄腫患者における無増悪生存期間が有意に延長した.ダラツムマブは,投与時反応と好中球減少の発現率が対照群よりも高いことに関連した.(Janssen Research and Development 社から研究助成を受けた.POLLUX 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02076009)
 

 Table and Figure 

投与方法

 

FigureS2

 
 
 
 

Table1 患者背景

患者背景(DRd群)
19.3%の患者は3レジメン以上
62.9%が自家末梢血幹細胞移植後
PIの投与をうけていたのが85.7%
IMIDsは55.2%
 

Figure1

PFS 12ヶ月 DRd vs Rd 83.2% vs 60.1%
 

Figure2

 
TableS2

ダラツムマブは前治療のレジメン数に影響されない.
レナリドミドが以前にはいっていたか,いないかに関わらずRdより効果あり.
 
 
 

論文の要約

DRdは許容できる有害事象であった.
R/R MMにおいてRdに比べてPFS,ORRにおいて有意差があった.
以前はいっているレジメン数に関係なく(1-3であれば)有効であった.